高い紹介手数料を払ったのに早期離職。 採用失敗の本当のコストを試算する

看護師1人の紹介手数料は平均76万円、医師は平均335.9万円という調査があります。この手数料を払って採用した人が数か月で辞めてしまったとき、失っているのは払った手数料だけではありません。この記事では、早期離職1件で実際に発生しているコストを分解して試算します。
01紹介手数料は「払って終わり」ではない
看護師の紹介手数料相場は全日本病院協会の調査で平均76万円、最大124万円。医師の紹介料相場は東京都病院協会の調査で平均335.9万円と報告されています。この金額は、採用が成功して初めて元が取れる投資です。数か月で辞められてしまえば、この投資はそのまま埋没費用になります。
02早期離職で失われるものを分解する
失われるものは大きく3つに分けられます。1つ目は払った紹介手数料そのもの。2つ目は、欠員を埋めるために再度採用活動を行う際の新たな手数料や募集コストです。3つ目は、欠員期間中に他のスタッフが穴を埋めるための残業代や応援体制のコスト、そして入職後にかけた教育・オンボーディングの時間の再投下です。
03具体的な試算例
看護師1名が入職3か月で離職した場合の試算イメージ
- 初回の紹介手数料(埋没):約76万円
- 再募集にかかる紹介手数料:約76万円
- 欠員期間の応援・残業対応:病棟の状況により数万円〜十数万円
- 入職後の教育・オンボーディングにかけた時間の再投下分
紹介手数料の水準は全日本病院協会の調査に基づく一般的な相場です。実際の金額は病院ごとの契約条件により異なります。
単純に紹介手数料を2回分払う計算をするだけでも、1人の早期離職で150万円前後が動いていることになります。ここに欠員期間の対応コストや教育コストの再投下を足すと、当初の紹介手数料だけを見ていたときより、実際の負担はさらに大きくなります。
ヒポくんメモ「また1から採用活動か……」ってなる時の徒労感、数字にしてみるとけっこう重いんだよね。手数料が二重にかかるだけでも結構な額なのに、教え直しの時間まで考えるとさらに。
04見えにくいコスト:現場の疲弊
数字にしづらいコストとして、現場スタッフの疲弊があります。新しく入った人を教えて、慣れてもらって、ようやく戦力になったと思ったところで辞められると、教えていたスタッフのモチベーションにも影響します。この部分は試算に含めにくいものの、離職が繰り返される職場では、実際に負担として蓄積していきます。
05このコストをどう減らすか
早期離職そのものをゼロにすることは難しくても、入口の見極めの精度を上げることで、確率を下げることはできます。面接だけで判断せず、前職での働きぶりを知る人に話を聞く手段を持っておくことは、150万円規模のコストが発生する確率を下げるための、比較的小さな投資だと考えられます。
06よくある質問
Q. 紹介会社の返金保証があれば、このコストは相殺できますか?
返金保証は手数料の一部または全部をカバーする場合がありますが、再募集にかかる時間や欠員期間の対応コストまではカバーされないのが一般的です。契約内容を確認しておくことをおすすめします。
Q. 早期離職はどのくらいの期間を指しますか?
紹介会社との契約に基づく返金保証の対象期間(多くは3か月〜6か月程度)を目安にする病院が多いですが、明確な定義があるわけではありません。


